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CASE STUDY

IFA GAIA株式会社

IFA GAIA株式会社

金融リテールに顧客ファーストの新たなカルチャーを。IFA GAIAの挑戦。

BACKGROUND STORY

 IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)企業のGAIAには2013年より取締役CMOとして関わりました。メーカー、エンターテイメント、IT、小売りと経験した後、最初に感じたのは、金融リテール業界のマーケティング概念が1.0(プロダクト中心)であること。GAIAはまだ当初10名弱の小さな会社でしたが、会員である顧客との時間をとても大切にしており、2.0(顧客志向)以降を地でいく文化の種を秘めていました。巨大なゴリアテのような業界で、ダビデのように新たな視点で「顧客ファースト」のカルチャーを打ち出していけるか。それがGAIAで描いたマーケティングストーリーの始まりでした。

巨人のように大きな業界、だけど全体は閉じている

金融リテール業界の多くの情報に触れる中で、一つの中核的な特徴が見えてきました。

それはみなが業界内の動向を注意深く見ていて「金融リテール業界のネットワークが内向きに閉じている」ことでした。

他の業界が2.0(顧客志向)から3.0(価値主導)その先へ、という流れにいる中、なぜ業界全体が1.0(プロダクト中心)に留まっているのか?当初は不思議でしたが、徐々にそこに至る構造が理解できました。

ネットワークが閉じている利点として「安全性、管理しやすさ、予測しやすさ」といったものが得られます。不確実性を減らすこと、これは金融サービスを顧客に正しく、間違いなく提供するために欠くことができないとても大切な要素だと思います。

反面、業界全体の思考が枠の中に押し込まれ、「効率性重視・失敗は悪いこと」という空気に偏重しているようにも感じました。この構造が「新しいものを迎え入れること」を心理的に阻み、変化を好まない、上手に失敗することを許容しづらい文化を生み出しているとも言えます。

それは合理的で良い面も持ち合わせている特徴でもありますが、長い時間をかけ、2.0(顧客主導)以降に必要な「想像力や創造性を奪っていく」構造にも思えました。新たにオリジナルを生み出すことよりも安全に模倣することのみに重きを置いている。そう映りました。

顧客側に軸を移していく場合、「多様性や変化」「予想と異なる反応」といったものが主になっていくため、企業側だけで決めた論理や固定的な仕組みなどは通用しなくなり、そこで絶え間なく起こる変化に対応できなくなっていきます。

「安全性」のコンセプトを維持しながら、想像力や創造性を活かした「顧客ファースト」の流れを生み出していくこと。

これを実現するため、「ネットワークが閉じている」ことを利点と捉え、「何か違う良いコト」を、ネットワーク内部で発信し続けられれば、全体が広くてもどこかで耳に入り、視界の角には届いていくのではないか。

良い意味で模倣がされるのではないか。そう考えて組み立てていったのがGAIAのマーケティング戦略の基点です。

顧客との長く良い関係性づくりにアンカーを打ち直す

では何を、どこに打つべきか?その中で最も優先的に進めたのは、「2.0へ意識をシフトする」組織の在り方のコンセプトと関連指標を、まず社内に向けて打つことでした。

他の業界ではすでに3.0以上に視点の軸が移り始めており、顧客が関わる同じB to Cサービスと捉えれば、必ずそう流れていくという確信があったからです。

当時、金融リテール業界では、顧客に金融商品を不必要に高い頻度で購入させ、都度コミッション(販売手数料)を得る「回転売買」という問題がよく取り上げられていました。「顧客=ものを売る相手」と捉えている1.0特有の状況です。

顧客とのコミュニケーションが発生するタイミングが「何かを売りたいとき」に偏っている、そのような構造です。

そこでGAIAが先行して2.0への流れに乗れるよう、アドバイザーの在り方を示すコンセプトの見せ直し、顧客に向かう姿勢を表す基本信念の追加、顧客との関係性を測る指標等を、段階的に投入していきました。

これは同時に、GAIAの強みを最大限に生かす方法でもありました。GAIAに集まるスタッフの多くは、他の金融機関で企業論理優先のスタンスに疑問を持ち、もっと顧客側に寄り添える存在でありたいと訪れます。

顧客との関係性の質向上はGAIAが最も自然に強みを生かせる場所であり、そこに軸を置きにいくことは組織力のポテンシャルを引き出すことでもあったのです。こうしてGAIAにおけるマーケティング上のアンカーを、「顧客との長く良い関係性づくり」に打ち直していきました。

今、説得はしない。数年先で待つ指標

 組織を新たな方向に動かすことは容易ではありません。

また力ずくで動かそうとしても必ず大きな抵抗やその揺り戻しが起きることは、企業再建フェーズに関わった前職の経験でも見ていました。

そこで心がけたのは、派手なイノベーションや改革のように注目を集めるものではなく、「長生きできる、ただし理にかなった」施策でした。

一見変化を促すには、短期的に集中する大きな力が必要のように思えますが、今そこにある組織に本質的な変化を生むには長い時間が必要になり、むしろ長続きする小さな力の方が重要になることがあります。

その一つの準備として入社後、すぐにNPS(Net Promoter Score※1)調査をかけました。顧客との関係性が質的に良いものに遷移していくかを定点で見始めるためです。

当時GAIAのスタッフはこの意味をあまり理解していませんでした。実効性はあるのか、とむしろ不要なものとして反発する期間も多くあったほどでした。

しかし正面から理解を押し付けるよう説得、無理に効果を示す、拙速に変えることはせず、ある意味淡々と毎年推移を共有しながら、組織がそれを理解できるまでに成熟するのを待ちました。

こういうケースでは、先に述べたように、あまりその指標が「目立たないよう(注目を浴びないよう)設計すること」も重要です。

直接的な影響力や支配力を持たないよう指標の置き場所を設計し、長生きさせ、時間を稼げるようにしておくことが必要となります。

その他、抽象度が高く短期的な戦略に左右されないコンセプトの設計、新規顧客獲得と既存顧客のための時間配分、顧客との関係性の長さに軸を置く継続率といった指標等を段階的に投入し、潜在的な意識、カルチャーとして根付いていくよう働きかけていったのです。

数年かけて積み上げた「顧客を大切にする文化」という価値はすぐには消えない

また対外的にもプレスリリースでNPSの実績を発表するなど、GAIAが常に顧客の声を重視し、「顧客志向」の取組みを続けていることを発信していきました。

メディアに取り上げられる際も必ず「顧客との関係性を大切にしている」ことを言葉にし、ある意味、組織に自己暗示をかけるように、GAIA自体の意識が顧客中心主義から離れないよう内外から空気をつくっていったのです。

2017年頃になると金融業界でもNPSの話題が多く出てくるようになり、2018年には金融庁の「顧客本位の業務運営」の中でもNPSが取り上げられます。GAIAが今まで蓄積してきた既存顧客への活動もより注目を浴びることになり、ケーススタディとしても代表例として取り上げられています。

また今後の2.0以降の流れで一つの象徴的な存在として、多くの良い事例や気づきを生み出し、強みを発揮しながら業界にも良い影響を与え続けるでしょう。

ここで最も大事なのは「顧客本位」という姿勢は、表面的にそうであるかのように見せることには全く意味がなく、組織全体で本当にそうあるべきだと思えることです。また明日明後日にすぐに身につけられるものでもないということです。数年かけて積み上げてきた「カルチャーという本質的な価値」はすぐに消えることのない一番の強みとしてGAIAを支えていくのだと思います。

麻生 陽平
davide marketing(ダヴィデ・マーケティング)株式会社
代表取締役社長・CEO

※NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

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