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USJから学ぶ「ターゲットを狭く定義しすぎない」理由

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1.戦略の本質はとてもシンプル

USJをV字回復させた盛岡毅氏の著書「確率思考の戦略論」には、プレファレンスの重要性などたくさんの示唆に富むメッセージが書かれていますが、

第2章『戦略の本質』について書かれた内容は、マーケティング戦略を考える上で余計な思考を削ぎ落とし、やるべきことを非常にクリアにしてくれます。

またマーケティングの本質が

水が流れていくように「物事がよりよく流れるようにすること」

であることを改めて意識できる内容となっており、私自身も事あるごとに何度も読み返し、思考をシンプルにすることに役立てています。

2.戦略上キーになる着眼点は3つだけ

ウォルト・ディズニーとブランディングの科学」で記載したバイロン・シャープ氏の指摘は、盛岡毅氏が著書「確率思考の戦略論」の中で戦略の本質として上げている3つの焦点

・認知の伸び代を探す
・配荷(流通)の伸び代を探す
・プレファレンス(選ばれる確率)の伸び代を探す

とほぼ同じことを指していると言えるでしょう。

より多くの人に知ってもらい、より多くの人が手に取れる(サービスが受けられる)状態にし、選ばれる確率を高めていくことが重要ということになります。

・キードライバーを絞ることで考えやすくなる

逆に言えば、戦略を立てる上で着眼すべき点は

・Awareness(認知)
・Distribution(配荷)
・Preference(好意度)

の3つに絞れることになり、とても考えやすくなります。

ここに的を絞って考えることで勝てる戦略に早くたどり着くことができるというのは本当にその通りと思います。

・ブランドの量的な成長

知ってもらうための認知、受け取ってもらうための配荷を増やしブランドの成長を促すことを「ブランドの量的な成長」と言いますが

問題を抱えている新たな事業やサービス、ブランドはこの「量的な成長」に課題を抱えていることが多いのではないでしょうか。

実際にマーケティング伴走支援に入る中でも、特に「認知」の部分で悩まれている企業は多く、ただそのほとんどが「現状打てる手を打っていない」状況であったりします。

まずは現状の「手持ちの資産、手段をフルに生かし切れているか」確認をしてみることが有効になるでしょう。

・認知の質も重要

「確率思考の戦略論」の中では、「認知の質」の重要性についても書かれています。

一般的な認知の指標としては

・助成想起(Aided Awareness)
「USJを知っていますか?」
・純粋想起(Unaided Awareness)
「テーマパークと言えば思い浮かぶブランドは何ですか?」

があり、どちらも異なる目的でとても大事ですが、マーケティング戦略上「ビジネスをつくる認知」としては「純粋想起(Unaided Awareness)」がより重要です。

それは購入しても良いというブランド候補(Evoked Set)に入ることが重要になるからですが、

特にそのブランド群の中で最初に名前が上がる「第1ブランド想起」の率を高めていくことはそのカテゴリーでトップになるために必要になります。

高級感や特別感を持つブランドでは、広く市場全体の中での認知よりも、そのターゲット(コミュニティ)における認知の質がより大切になってきます。

3.ブランドのプレファレンスを伸ばす

量的な成長と対比し、好まれる度合いや選ばれる確率を上げブランドを成長させていくことを「ブランドの質的な成長」ということになります。

USJは、「量的なブランドの成長」だけでなく、「質的なブランドの成長」を重視して取り組んでいったことが分かります。

・プレファレンスを水平に広げる

マーケティングの有名な問題の中に「マーケティング近視眼」という考え方があります。

セオドア・レビットの論文の中で提唱された考え方ですが、とても簡単に言うと、

企業が自身の事業ドメインを過剰に狭く、近視眼的に定義していたことによって、より本質的な価値や世の中の変化、ニーズに沿わなくなり、企業を衰退に招いてしまった

という内容です。

USJにおいてはこの考え方を超えていく方法を「戦略のコンセプトシフト」という形で上手に取り入れています。

USJを「映画だけのテーマパーク」と狭く定義し、既存の映画好きファン層にさらにUSJを好きになってもらうよりも、

「世界最高のエンターテイメントを集めたセレクトショップ」という一段上のコンセプトに昇華し、

様々な人気アニメやゲーム、キャラクターなどの優れたコンテンツについているファン層も上手に取り込んでいくことに成功したと言えるでしょう。

これは別の見方をすれば、

狭いターゲティングで既存の顧客を深掘る(単価や頻度を上げる)垂直の方向性よりも、水平に面を広げ、新たな顧客を向かい入れていくことの方が上手くいく可能性が高い

と判断しそのような活動を進めていったことを示唆しています。

・ターゲットを絞るよりも大事なこと

これはマーケティングでよく言われる「ターゲットを絞る」ことが大事ということと矛盾するようにも思います。

しかし一番大切なのはあくまで

「市場全体の中で自社ブランドのプレファレンスを上げること」

になります。

そのためターゲットを絞り、市場全体のプレファレンスを上げるべき時と、逆にターゲットの面を広げ、全体を増やしていくべき時のどちらもあるということになります。

USJの分析の中で、東京ディズニーランドは子供から大人まで、老若男女にファン層が広がり、市場全体におけるプレファレンスが高いことを挙げています。

「いい娯楽ってやつは、老いも若きも、誰にでもアピールするものだ。」

ウォルト・ディズニーの言葉は、もちろんマーケティングを考えて表現したものではないでしょう。

ただ結果として、とても理にかなった視点だったとも言えるのではないでしょうか。

自身が描くビジョンとして、素晴らしいものを生み出し、人の中にあるより普遍的な「子供のような心」、より根本的な人の欲求や願いに応えようとしたのではないかと思います。

マーケティング戦略を考えていく上では、最終的な市場全体のプレファレンスを高め、「ファン層をいかに広げていくか」という視点が大切であり、それを常に意識しておく必要があるでしょう。

4.まず認知活動を可視化することから始める

新規事業や小さなブランド、育てるサービスにおいては特に顕著ですが、圧倒的に外に自社の活動を発信する「認知のための活動が不足している」ことが多いです。

資金面での体力やそこに当てられるリソースの問題もありますが、多くは「意識している課題の優先順位」の問題になります。

優先順位が上がらない理由は、「その課題を問題と認識できていないこと」がほとんどです。

・問題を認識するには可視化することが必要

davide marketingでは、「認知活動の構造上の問題」に早い段階で気づきを得るための新規顧客フロー図を用いて組織の活動をチェックしています。

このブランドのケースでは、「認知のトリガー」になるHPへのアクセスやメンテナンスが行われておらず、店舗もマンションの2階となり、新たな顧客に知ってもらえる機会が極端に少ないことが分かります。

また上記のように現状行っている施策を、MAP上に書き出し各施策の評価を加えていくと、いかに「認知や関心を持ってもらうための活動が足りていない」かがよく分かります。

そのため一つの面の中で、全体感を把握しながら、どこに問題があるかを認識することはとても大事です。

全体感を把握し、「問題の発見(課題の在り処)」ができれば、手を打つことは容易であることが多いです。

まず「問題を認識する」ことから始めることが大きな改善に向けた一歩になるでしょう。

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