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今こそマーケティング3.0。在り方は縦の関係から横のつながりへ

記事のワンポイント マーケティング動画

日本では5月7日時点で119社が倒産、米大手百貨店ニーマン・マーカスが破産するなど世界でも新型コロナウィルスが生活や経済の様々な面で影響を与えています。

世界が同じような逆風の状況に陥り、人々の生活が脅かされる中、企業・組織の在り方を示し、世界や社会、人々にどのような価値を提供していくことができるのか、今、まさにマーケティング3.0の思想が必要な時と言えるでしょう。

 

『マーケティング3.0』とはフィリップ・コトラー教授が提唱している概念のことを指しています。

それまでは消費者中心の時代であるマーケティング2.0に分類されていましたが、消費者志向を一歩押し進め新しい時代にシフトさせる必要があると述べています。

消費者を尊重しニーズに沿った提案が大事だと考えられてきましたが、私たちを単に「消費者」としてではなく「人間(全人的な存在)」として捉え、より良い社会や生活を創造する働きかけが重要視されるようになったのです。

変化がみられる現代社会において、マーケティング3.0を理解するとともにマーケティングの歩みを知ることが、マーケティング戦略において不可欠です。

『マーケティング3.0』とは

『マーケティング3.0』とは「コトラーのマーケティング3.0 ソーシャルメディア時代の新法則(朝日新聞出版)」で提唱されたマーケティング概念。

それまであった消費者志向のマーケティングから価値を主導することが、マーケティングのコンセプトとなっています。

『マーケティング3.0』の基本的な考え方

もちろん消費者から満足を得ることは大事にはなりますが、人間が持ち抱くもっと広い概念、どんな世界・社会にしたいか、どんな生活がしたいかといった観点が主軸になります。

つまり商品やサービスを提供する企業が「いかに販売するか」という点にのみ終始するのではなく、消費者と共に価値を創り上げていくことが必要になってくるでしょう。

これは時代の移り変わりによって、消費者の価値観に変化が生じたことが背景にあると考えられています。

現代ではソーシャルメディアが普及し、消費者から共感を得ることができれば、多くの人に共有や拡散がされるようになりました。

商品やサービス、ブランドの持っている価値が理解されたとき、多くの人はそれらに対して共感を抱きます。

逆に言えば、多くの人に共感を得られてはじめて、購買などの行動を得られることになるのです。

そのためにはよい商品やサービスを作り出すことはもちろんのこと、どんな社会にしたいか、人々がどんな生活を望んでいるかといった広い視野がないと共感を得ることができないと考えられています。

『マーケティング1.0』『マーケティング2.0』からの移り変わり

『マーケティング1.0』『マーケティング2.0』との違いについて語られることが多いのですが、違いというより時代の移り変わりによる歩みを見るとより理解することができます。

当時の時代背景から、違いについて見ていきましょう。

『マーケティング1.0』の時代

マーケティング1.0の販売戦略は、まだ多くのモノが消費者に供給されていなかった時代に主流になっていた考え方です。

産業革命によって大量生産などのシステムを生み出すことができるようになり、どうすれば商品やサービスを消費者に届けることができるのか考えられるようになったのです。

そこで4Pと呼ばれる『Product(プロダクト:製品)』『Price(プライス:価格)』『Place(プレイス:流通)』『Promotion(プロモーション:販売促進)』といった戦術的なマーケティングが生まれました。

新聞やテレビなどの複数のマスメディアにおいて大規模に宣伝され、大量生産した商品を届けることがもっとも効率のよい販売手法だとされていたのです。

『マーケティング2.0』の時代

マーケティング2.0の販売戦略は、消費者に最適な商品を届ける取り組みが必要だとした考え方です。

マーケティング1.0の時代を超え、多くの商品が供給されるようになると、消費者のニーズにあわせて商品を開発しないとモノが売れない時代になったのです。

そこで4Pの考え方から発展して、より上位の戦略的な視点となるSTPと呼ばれる『セグメンテーション』『ターゲティング』『ポジショニング』が必要になり、顧客を中心に据える顧客管理の考え方が導入されました。

まず顧客に対する価値を考えていることが特徴的で、さらにコスト・利便性を追求したのちに、企業側のメッセージが確実に顧客に届いているかどうかが大事だと考えられたのです。

『マーケティング3.0』の特徴

下の表はマーケティング3.0と1.0、2.0を項目ごとに比較したものになります。

マーケティング3.0で特徴的なのは、「企業と消費者」の関係性を再定義している点でしょう。原文では顧客の捉え方を「Customer、Consumer」という位置付けから「Human」というより多面的な存在にシフトしています。

企業は消費者という側面にのみアプローチするだけではなく、人が持っているより深い価値観に応え、彼らの大切にしているものや属しているコミュニティの発展に寄与していくことが必要であるという考えになります。

ソーシャルメディアに代表されるように、コミュニケーションも企業から消費者へ、という縦の関係ではなく、価値観を共有する仲間やコミュニティの同志として共に価値を創造、協働していく「many to many」という言葉で表されています。

企業と消費者の関係性は垂直的な一方通行のものではなく、社会問題の解決や人々の価値観に根ざした活動や生活を支援していく横のつながりを重視した関係性に変わってきていると言えるでしょう。

マーケティング3.0で重要になる『3iモデル』とは

マーケティング3.0では『3i』と呼ばれるモデルによって、評価されることになります。マーケティング3.0の主軸となる考え方ですので、しっかり理解しておかなければなりません。

『3iモデル』とは、3つのi(identity・image・integrity)の頭文字を取ったもので、これらのバランスがマーケティング3.0を実践する上でとても重要になると考えられています。

identity(ブランド・アイデンティティ)とは、消費者から認知されるために他の企業とは異なったユニークな立ち位置であることが必要だという考え方です。

「ポジショニング」「ブランド」といった要素で構成されています。

image(ブランド・イメージ)とは、ブランドの価値は消費者の感情や欲求にアピールするものでなければならないといった考え方です。

「ブランド」「差別化」といった要素で構成されています。

integrity(ブランド・インテグリティ)とは、ブランドに対して誠実に向き合っていかねばならないといった考え方です。誠実に約束を果たしていく姿勢によって消費者は信頼を築くことができるのです。

「差別化」「ポジショニング」といった要素で構成されています。

コトラー教授は、マーケティングはブランドとポジショニングと差別化のバランスの取れた三角形として定義し直される必要があることを説明しています。

これらの要素はどれかが欠けていたり、秀でたりするものではなく、この3つのiが関連し合い、完全な三角形としてバランスされていることが最も大切であり、信頼に値するものになることを示しています。

この三角形は、消費者に向けてではなく、「マインドとハートと精神を持つ人間」にとって意味を持つように構成されているのです。

世界をより良い場所にすること

『マーケティング3.0』の目的は、世界をより良い場所にしていくことです。

今、新型コロナウィルスの影響が多くの企業や人々の生活を苦しめています。それと同時にオンラインで距離を超えてつながり協働する新しい価値も生まれてきています。

このような状況や変化の中でこそ、企業や組織は改めてその在り方を見つめ直し、今、どのように振る舞い、どのように価値を提供していくのか、行動を通じてその組織の在り方を示していく、とても良い機会とも言えるでしょう。

まだまだマーケティング2.0に留まっていると言われる日本ですが、企業の進化や社会と環境の共生、より良い世界にしていくためにも新しい視座でマーケティングを生かしていくことが必要になるのではないでしょうか。

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