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インナーブランディングとは?スタバの事例で学ぶその重要性

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企業において理念やビジョン、あるいは自社ブランドの価値などを共有することは、スタッフの意識や行動に反映するためにもとても重要です。

そのための啓蒙活動のことを『インナーブランディング』と呼び、企業とスタッフの方向性を合致させることを目的として取り組まれています。

一般的には消費者に対する啓蒙活動だけがクローズアップされることが多いですが、企業のブランディングはスタッフ一人ひとりの意識付けが不可欠だと言えます。

そのため近年においてはさまざまな企業においてインナーブランディングに取り組む事例が増えています。

1.インナーブランディングとは

『インナーブランディング』とは、ブランディング戦略のひとつで、従業員・スタッフに対する自社を理解してもらうための活動のことを指しています。

ここでいう活動とは啓蒙を意味しており、自社ブランドの理念やビジョン、価値などをしっかりと理解し共有できるものになります。

一般的に自社ブランドを啓蒙するためには、消費者や顧客に対する活動が多く、これを『アウターブランディング』と呼んで対比させています。

むしろアウターブランディングが主流のブランディング方法であると言えるのではないでしょうか。

しかし企業が成長し続けていくには、アウターブランディングだけでは不十分で、インナーブランディングを取り入れることも重要です。

インナーブランディングの取り組みの中でスタッフの意識改革に繋げることができれば、日々の業務の取り組み方から変化が現れることは想像できるでしょう。

自社ブランドで本当に伝えたいことが広告や広報に頼るのではなく、スタッフ一人ひとりの行動によって伝えていくことができるようになります。

また東京ディズニーリゾートの行動基準(The Four Keys〜4つの鍵〜)として有名なSCSE(Safety・Courtesy・Show・Efficiency)、

「Efficiency」の中でチームワークによって効率性を高めると挙げられていることからも分かる通り、

スタッフの業務効率にも繋げることができ、企業の成長に大きな影響を与える活動になるでしょう。

2.インナーブランディングの目的

インナーブランディングの目標は大きく2つと言われています。

社員やスタッフが

・ブランドのビジョンを理解するようにすること
・ブランドのビジョンを意識するよう促すこと

インナーブランディングの必要性が考えられるようになった理由は、社員やスタッフの意識や行動が自社のブランドに対して大きな影響力を与えるものだからです。

次の章でインナーブランディングを取り入れている事例をお伝えしますが、アウターブランディングと共に取り組むことで大きな成果を収めていることが分かります。

そもそもスタッフ自身が自社ブランドに対して愛着を感じず、何の理解もなくお客様に対して商品やサービスを勧めることができるでしょうか。

私たちも日々さまざまな商品やサービスを購入する中で、スタッフの意識を敏感に察知しているものでしょう。

逆に言えば、スタッフが愛着を感じ、意識が高いことが認識できれば、そのブランドに対する信頼感を持つことができるようになります。

つまりスタッフ自身が自社に対する満足度を高めれば高めるほど、必然的にお客様に対するアウターブランディングを高めることに繋がります

このことこそがインナーブランディングの最大の目的であると言えるのではないでしょうか。

3.インナーブランディング「スターバックスコーヒー」の事例

インナーブランディングの事例として「スターバックスコーヒー」のケースを紹介します。

全国ですでに1300店舗以上が存在し、どの店舗にいってもスタッフがいきいきと働いていることが分かるのではないでしょうか。

スターバックスは何よりもスタッフの満足度を重要視しており、行動指針の一つ目には「お互いに尊敬と威厳をもって接し、働きやすい環境をつくる」と掲げています。

行動指針にはもちろん「顧客が満足するサービス」という内容も盛り込まれていますが、それよりも「スタッフの働きやすさ」を重視していることが分かります。

働きやすさのために取り組まれているもののひとつとして、日々のコミュニケーションがあります。

このコミュニケーションを「スタースキル」と呼び、次の3つの内容を意識して日々の業務に取り組まれています。

・自信を保ちさらに高める
・相手の話を真剣に聞き、理解する努力を怠らない
・困ったときには助けを求める

このスキル自身は抽象的な内容になっていることが特徴的で、企業が明確に定義づけするのではなく、あくまでスタッフ個人がどのように受け止めて行動するかがカギとなっているのです。

スタッフの働きやすさは、居心地がいいというだけではなく、お客様に対して進んで何か貢献したいと感じられる環境である必要があると考えられています。

そのために必要なスキルがまさに上記3つの「スタースキル」であって、スタッフ同士のコミュニケーションによって達成できるものなのです。

4.インナーブランディングの大きなメリット

ブランディングの大家デービット・アーカー氏は、インナーブランディングが生むメリットを次のように説明しています。

・社員と事業パートナーに方向性と意欲を与える
・創造的で画期的なブランド構築プログラムを導入できる可能性が高まる
・社員がブランドについて他人に語りたいと思うようになる
・仕事上の意義と達成感を社員に与える
・企業活動の基盤となる組織文化を支えることができる

インナーブランディングの取り組みによって、企業をあげて課題に取り組むことができ、大きなブランディング効果を感じることができるでしょう。

またアウターブランディングに繋がるのはもちろんのこと、自社のブランディングによって優秀な人材を獲得できるようなメリットも得られる面もあります。

社内の士気を高めるためにはうまく活用すべきものであり、成功させることによって企業に大きな効果をもたらすものになるでしょう。

ドラッカーは「企業文化は戦略に勝る」という言葉を残しています。

ぜひインナーブランディングを生かし、持続力のある強い文化づくりを目指していけるとよいでしょう。

【参考事例】
金融リテールに顧客ファーストの新たなカルチャーを。IFA GAIAの挑戦。

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