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コロナ後の米国リテール市場の動向とNIKEのアプリ戦略

今回は、米国在住の広告ディレクターSonoda氏に2021年春時点での、コロナパンデミック制限緩和後の現地状況をレポートしてもらいます。

■ コロナパンデミック制限緩和後の動き

・ロサンゼルスの街で各所が営業再開

ロサンゼルス当局は現地時間2021年3月26日(金)、パンデミックによって特に大きな打撃を受けた低所得コミュニティに200万回分のCOVID-19ワクチンを投与することとし、

ロサンゼルスでは、米No.1のフィットネスジム「24 hours fitness」の会員がほぼ1年ぶりにジムに戻ってきました。

ジムはハイブリッドモデルを使用しており、ジムメンバーは屋内と屋外で運動することができるような仕組みで営業を再開しています。

これは、これまで1年間にわたり、生活維持に必要最低限の施設(生鮮スーパー、レストランなど)のみ営業が認められていた加州にとって大きな前進です。

また、美術館、動物園、水族館を含むテーマパークも、容量の25%を条件に屋内の客入れが可能になるため、約1年ぶりに社会が通常生活に戻りつつあります。

これまで25%の入場規制がかけられていた小売業施設は、最大容量を50%に引き上げられ、これに伴い従業員の再雇用が活発になるため、失業率の回復にも注目が集まります。

UCLAの調査によれば、2020年、コロナウイルスにより3.5%縮小したアメリカの国内総生産は、今年2021年中に6.3%、2022年に4.6%、2023年には2.7%回復する見込みです。

・ロックダウン解除後の変化

私個人として、このロックダウン解除を受けて、肌で感じる変化があります。

それは、交通渋滞が戻ってきたことです。

これまでの1年間、通勤・通学の時間帯でも渋滞が一切なくなっていた高速道路も、2年前と変わらない交通量に戻ってきており、各地で渋滞に嵌るようになりました。

私が住むオレンジカウンティからロサンゼルスの中心までは約50kmほど。

コロナ禍では高速を使い30-40分程度で到着していたものが、4月に入ってロサンゼルスを訪れた際は1時間半と、ロックダウン時と比べ約3倍の時間を要しました。

しかしながら、カリフォルニア州はこれまでに1,210,265のコロナ症例と22,474人の死亡者を記録しているため、

公衆衛生局長のバーバラ・フェラー氏は声明で「今後とも他人から6フィートの距離を保ち、屋外での活動に留意するように」と呼びかけています。

■ コロナ後のリテール市場動向:NIKEの戦略

・自社アプリ「Nike+」とリアルイベント

コロナによるロックダウンの渦中で、アメリカではオンライン販売戦略に成功した企業があります。

2017年にDTC(Direct to Consumer)戦略で携帯アプリ販売をスタートしていたNIKEは、自社アプリ「Nike+」で、

ユーザーの行動範囲で開催されるスポーツイベントに参加できる機能を追加しました。

これまでの単なる小売ビジネスではなく、顧客が商品購入後の行動を通じ得られるベネフィットまでも一貫してアプリ内で提供することで、

2020年、NIKEのアメリカ国内での総売上額は30%がオンラインからとなり、2022年までにその数字は50%に上る見通しです。

・米国内約900店舗の閉鎖とオンライン化の加速

コロナ禍において、NIKEはアメリカ国内900店舗を閉鎖しており、卸売のパートナーであった靴専門店なども営業閉鎖に追い込まれたことを考えれば、これは驚くべき数字と言えます。

複数のスポーツブランドが携帯アプリを開発していますが、NIKEのように、商品購入後の消費者に対し、

アクションの提供(ここではスポーツイベントへの参加)までを戦略に取り入れている企業はまだ多くありません。

昨今のオンラインマーケティングトレンドである、ユーザーひとりひとりに焦点を当て、

自社ブランドへの愛を訴求し続けた結果が、このブランドロイヤリティの拡大につながっている例と言えるでしょう。

レポート:広告ディレクター Sonoda


NIKEの動きなどは、大きな環境変化に伴うユーザーの行動や意識の変化をうまく捉え、価値提供をしているとてもよい例と言えます。

マーケティング5.0においては、副題が「TECHNOLOGY FOR HUMANITY」となっています。

今後、益々テクノロジーと人の生活や行動が自然な形で融合していく時代に入っていくのではと感じています。

参照サイト:

・UCLA Anderson Forecast anticipates near-record growth as economic recovery continues

https://news.nike.com/news/nike-tech-pack-fall-2018

・Inside Nike’s Radical Direct-to-Consumer Strategy — Download the Case Study

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