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マーケティング5.0とは何か?(前編)〜TECHNOLOGY FOR HUMANITY

World Marketing Summit ONLINE 2020の講演にあった通り、2021年に入り、著書「MARKETING 5.0 - TECHNOLOGY FOR HUMANITY(英語版)」が出版されました。

著者はコトラー氏とマーケティング3.0の共著者ヘルマワン・カルタジャヤ氏、マーケティング4.0の共著者イワン・セティアワン氏です。

内容を見ると、今回の「MARKETING 5.0」がこのメンバーで書かれた意図も分かります。

理解が異なる部分もあるかもしれませんが分かる範囲で、今回はマーケティング5.0のアウトラインについて、自分なりに整理したいと思います。

1.マーケティング4.0はデジタルへの転換点

別のコラム「今こそマーケティング3.0。在り方は縦の関係から横のつながりへ」でもまとめていますが、マーケティングのコンセプトは

1.0:製品主導(product-driven marketing)
2.0:顧客志向(customer-oriented marketing)
3.0:人間中心(human-centric marketing)

という変遷をたどっています。

・マーケティング3.0は伝統的マーケティングの最終段階

マーケティング3.0の視点では、顧客は自身が選ぶブランドは、機能面で優れているだけではなく、感情や精神面でも満たしてくれることを期待しています。

また新たな世代(Y世代やZ世代)は純粋に社会を気遣っており、企業のビジネスモデルの中によりよい社会への活動が含まれていることを望んでいます。

コトラー氏は、マーケティング3.0で、伝統的なマーケティングにおいては、最終の段階に入ったとみなしており、

マーケティング4.0が伝統的なマーケティングからデジタルマーケティングへの転換点になると述べています。

・マーケティング4.0から5.0へ

4.0におけるテクノロジーはとても基本的なものですが、顧客のカスタマージャーニーをフィジカルとデジタルの両面で支えていく、新しいマーケティングの枠組みを提示しました。

ここでは、マーケティングにおけるテクノロジーは、ソーシャルメディアでのコンテンツ配信やオムニチャネル上で存在感を示すことにとどまっており、

AI、NLP(自然言語処理)、センサーテクノロジー、IoTなどの新しいテクノロジーは、マーケティングの実践を変える可能性を大いに持っていますが、まだ中心の流れではありませんでした。

4.0はデジタル時代への移行と適応の期間と位置付けられていたのです。

ただ今回のコロナ禍によって、ビジネスのデジタル化が大きく加速し、市場もマーケターも強制的に新しい非接触のデジタルの世界に適応させられる形になったと言えるでしょう。

2.マーケティング5.0の時代へ

これは「人間性(人間らしさ)のためのテクノロジー」がカギとなるマーケティング5.0を考える適切なタイミングだと言えるのでしょう。

それぞれの企業は、マーケティングの戦略や戦術、運用において、新しいテクノロジーを存分に生かすフェーズに入っています。

考え方としては、スマートテクノロジーによって持続可能な社会を手助けしていくロードマップを持つSociety5.0からヒントを得ています。

マーケティング5.0は、人間中心主義のマーケティング3.0と、テクノロジーによるエンパワーという側面を持ったマーケティング4.0の、どちらの要素も併せ持っているのです。

・背景となる3つの主な課題

マーケティング5.0の背景には、3つの主要な課題へのチャレンジがあります。

それは

・世代間のギャップ
・繁栄(貧富)格差・二極化
・デジタルによる分断

です。

・世代間のギャップ

ビジネスや購買力上のリーダーシップを持ち、ほとんどの意思決定を行う古い企業の経営層などのベビーブーム世代、X世代(※1)と、デジタルに精通した若いマネージャー層や消費者などのY世代、Z世代(※2)の断絶が大きな障害となってくる。

※1:ベビーブーム世代:1945–64年ごろの生まれ、X世代:1965–80年ごろの生まれ
※2:Y世代:1980–95年ごろの生まれ、Z世代:1995年以降の生まれ

・繁栄(貧富)の格差・二極化

高収入の上位層が成長を続け、ラグジュアリー(贅沢)市場が大きくなる一方で、ベース層も拡大し、低価格で価値を提供する商品も大きな市場になっていく。マーケターは二極化を招く、慢性的な不平等や不公平に直面する。

・デジタルによる分断

デジタル化による変化を恐れ望まない人たちと、それが大きな成長や人のより良い生活に役立つと考えている人たちとの間に分断が起こる。

マーケティング5.0の実践においては、これらの課題に直面することを理解しておくとよいでしょう。

3.マーケティング5.0とは何か?

マーケティング5.0は、カスタマージャーニー全体を通じて、人間のようにふるまうテクノロジーを生かし、

価値を創り出したり、コミュニケーションを取ったり、ものを届けたり、価値を増幅させるような活動です。

・テクノロジーは戦略に従う

一つの重要なテーマは、マーケターが行っていることを次代のテクノロジーを生かし代替していくこと、

つまりAI、NLP(自然言語処理)、センサー、ロボティクス、AR、VR、IoTまたブロックチェーンといった技術の組み合わせがマーケティング5.0を可能にしていくということになります。

原則として、テクノロジーは戦略に従うことが求められます。

カギになるのは、企業が様々なケースで、適切なテクノロジーをどのように生かしていけばよいかを理解し、

その戦略をデザインすることができるマーケティングメンバーを持つことになってくるでしょう。

・目的は人にとって自然な新しい体験を創ること

マーケティング5.0において、テクノロジーは非常に重要な存在ですが、あくまでも中心にフォーカスされるのは人(人間性)であることが大事です。

次代のテクノロジーはマーケターの活動を助けますが、その目的は、摩擦なく(frictionless)、心を惹きつける(compelling)新しい顧客体験を生み出すことです。

そのためには企業は、人とAI等の人工的な知性の共生のバランスをとっていくことが必要でしょう。

・他の人間を理解できるのは人間のみ

AIは、膨大なデータからまだ知られていなかった顧客の行動パターンを見つけることができます。

ただこのようなコンピュータの力を持っていたとしても、他の人間を理解できるのは人間だけでしょう。

人の知性は意図を察し合うようなハイコンテクストで曖昧であるため、マーケターは顧客行動の潜在的な動機を理解する必要があります。

熟練したマーケターがどのようにインサイトを抜き出し、知恵に発展させるかは誰も分からず、テクノロジーによってそれを再現することもできません。

そのため、マーケティング5.0において、人の役割は引き続きとても重要で、

その中心的なテーマは、マシーンと人間がそれぞれカスタマージャーニーのどこにフィットし、どのように提供する価値を最大化できるかということになるのです。

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